2007年10月12日

女性のSASの特徴

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併症、医療費について
性差の特徴が報告された。

同じSASの重症度、肥満度、年齢の男性SAS患者と比較すると
女性のSAS患者では甲状腺機能低下症、関節疾患の
リスクが高く、医療費が1.8倍高いことが判明した。
向精神病薬、精神安定剤に対するコストが高いことも
明らかになった。

引用元: Greenberg-Dotan S et al. Sleep 2007;30(9):1173-80

睡眠時無呼吸症候群はうつ病などの精神疾患との関連が
あるため、睡眠外来(いびき外来)に受診した時に、
抑うつ状態を合併している場合もある。
SASは男性に多い睡眠障害という先入観があるが、
女性においてもSASは頻度の高い睡眠障害である。
精神症状で悩む女性でSASの症状に心当たりがあれば、
SASの評価を受けること重要だ。

2007年09月10日

腎不全と睡眠時無呼吸の関係

慢性腎臓病は、慢性糸球体腎炎や糖尿病腎症など、
慢性の腎臓病の総称で、腎機能が3カ月以上60%未満に
低下していれば、尿タンパクなどに異常が認められなくても
慢性腎臓病と診断することができる。

http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/living/83519/

慢性腎臓病は高血圧の原因となり、生活習慣病との関連がある。
減塩や適度な運動を生活に取り入れることが大切だが、
睡眠を十分にとることも重要だ。

ところで、腎不全が進行すると透析治療が必要となることがある。
現在25万以上の方が透析治療を受けている。
透析患者では睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群などの
睡眠障害が合併することが多い。

2007年05月24日

睡眠時無呼吸と心不全

閉塞性睡眠時無呼吸症候群によるいびき呼吸や無呼吸は夜間の低酸素血症を引き起こし、心臓に大きく負担となり心不全の原因となります。また、睡眠時無呼吸症候群は高血圧を引き起こすため、このことも心不全を悪化させる要因となっています。

さらに、心不全が発症すると脳にある呼吸を調整する呼吸中枢にも変化が起こり、中枢性睡眠時無呼吸やチェーンストークス呼吸が出現します。これらの異常呼吸は循環を不安定化させてしまい、心不全が悪循環に陥ります。

2007年03月17日

SASの合併症とリスクについて教えます

高血圧

睡眠時無呼吸症候群は高血圧の危険因子として知られています。夜間の低酸素血症や覚醒反応により交感神経が亢進し血圧が上昇します。さらに、夜間だけではなく昼間も血圧が高くなる状態が続くため心臓に負担がかかります。睡眠時無呼吸症候群の治療を行うことにより、高血圧のコントロールが容易になります。

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虚血性心疾患、脳卒中

睡眠時無呼吸症候群では睡眠中の無呼吸により低酸素血症が起きますが、覚醒し呼吸が再開することで低酸素状態が改善されます。血液中の酸素濃度の変動は血管にダメージを与え、動脈硬化の進展に関与しています。また、血液が凝固されやすい状態になることが知られています。その結果、狭心症、心筋梗塞、脳卒中の発症に密接に関わります。重症の睡眠時無呼吸症候群では、生命の危険に関わる心臓病の発症が高くなります。

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耐糖能異常

夜間の低酸素血症がコルチゾール(ストレスホルモン)や交感神経の活動を亢進させ、インスリン(血糖値を下げるホルモン)に対する感受性が低下し(インスリン抵抗性)、糖尿病を発症する危険があります。

メタボリックシンドローム

生活習慣病の中には高脂血症、高血圧、糖尿病がありますが、内臓脂肪型肥満が存在しこれらの病気を重複して合併すると(メタボリックシンドローム)、心筋梗塞や脳卒中の危険が高くなります。睡眠時無呼吸症候群の原因として肥満がありますが、メタボリックシンドロームを高率に合併することが報告されています。

習慣性流産

睡眠時無呼吸症候群が習慣性流産に関与している可能性が指摘されています。睡眠中の無呼吸(低呼吸)に伴う低酸素血症が、胎盤機能の不全、流産、死産、広汎性脳障害を引き起こす危険があることが考えられています。

交通事故

睡眠時無呼吸症候群の症状として昼間の眠気があります。運転中の判断力の低下、傾眠により交通事故の原因となります。

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